2009年12月22日火曜日

ティナリウェンの衝撃


ブログの方(「ビッグイシュー(THE BIG ISSUE) バックナンバーも買ってください」)で少し紹介したことですが、『ビッグイシュー 129号』(10月15日号=女優の小雪さんが表紙)に「サハラ砂漠の遊牧民トゥアレグ族のバンド」である『ティナリウェン』を紹介する記事がありました。

2001年にデビューアルバムを発表したこのバンドは、レッド・ツェッぺリンのロバート・プラント、U2のボーノやブラーのデーモン・アルバートからも絶賛されているようですが、私の音楽の教科書でもある、ピーター・バラカンさんの『魂のゆくえ』という本の最後の方にも「砂漠のブルーズ」として紹介されていました。
複数の原始的なエレクトリック・ギターと、チャントのような歌、そして手拍子をはじめとする素朴なパーカッションだけのサウンドには不思議なほどの引力があり、これこそブルーズ発祥の音かと考えさせられます。

というように書いてあったことが頭の片隅に残っていたので、記事を読んで、『ティナリウェン』って、このバンドのことかとすぐにガッテンしました。

ティナリウェン』は、マリの北部に住むタマシェク民族のバンドで、そのバンド名はマリ語で『砂漠の人々』もしくは『砂漠の男たち』ということを意味するそうです。その記事によると、そのメンバーたちは、以前紛争の中でホントに戦っていて、武器(ライフル銃)を楽器(ギター)に持ち替えてメッセージを発しています。まさに私が敬愛する沖縄出身のミュージシャンの喜納昌吉さんの「すべての武器を楽器に」というメッセージを体現しているような存在と言っても過言ではありません。

戦闘は暴力にすぎない。後に残るのは死体の山だけで何も元通りにはならないんだ。音楽で真実を語れば、痛みを伴うことはあっても誰の命も奪わない。そのことを知ってもらうのが、俺たちの義務なんだ。しっかりと語り伝えることがね。

というのは、バンドリーダーのイブラヒム・アジ・アルハビブの言葉。

戦闘の後に残るのは死体の山、音楽は誰の命も奪わない」という言葉に感じるものがあって、ネットでティナリウェンを検索し、YouTubeで見ると、コードも少なめで、たたみかけるように少し歪んだギターのリフが続くというような超シンプルな音なんですが相当ソウルを感じました。ベースがジミ・ヘンドリックスみたいに右利き用のベースを左で弾いていて、シブイというか、カッコイイというか、とにかく衝撃を受けてしまいました。

アフリカのリズムを取り入れているトーキング・ヘッズやピーター・ガブリエルは好きでアルバムなども持っているのですが、アフリカと言えば、正直、セネガルのユッスー・ンドゥールやマリのサリフ・ケイタを図書館で借りて聞く程度でした。

ティナリウェンの衝撃。ディープなアフリカの音の世界にハマっていきそうです。

ちなみに、立川ではティナリウェンのCDは売っていないみたいで、まだ未入手ですが、YouTubeで何曲か無料で聴けます。

ティナリウェンのページ http://www.tinariwen.com/

※写真は『ビッグイシュー 129号』の記事とピーター・バラカン著の『魂(ソウル)のゆくえ』(アステルパブリッシング)と『ピーター・バラカン選 ブラック・ミュージック アフリカから世界へ』(学研)

最近出版された後者の本ではティナリウェンのアルバムが紹介されています。

【関連リンク】

◆ 立川市議会議員 五十嵐けんのブログ  Many Rivers ToCross

◆ Soul is nothing but a feeling (五十嵐けんの趣味のブログ)

◆ 立川市議会議員 五十嵐けんのホームページ

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